売りを持つ女性

 大学時代の友人のKは、背が145センチしかない小柄な女。服装は今で言うところの「森ガール」で、常に棒つきの飴をしゃぶっていた。彼女は「ほら、Kってちっちゃいから『守ってあげたくなる』ってよく言われるんだ。」「Kはお子ちゃまだからそんなのわかんないよー。」などなど、自分が小さいことを最大の売りにしていた。その徹底ぶりは半端ではなく、学食で食べるのはオムライスかサンドイッチ。間違ってもカツ丼を注文したりはしない。
そんな彼女だが、ひとたび自宅に帰ると「あー疲れた。」と言い、中学校の指定ジャージだったであろう小豆色のジャージに着替え、ビールをあおる。そんな彼女を初めて見たときは「やっぱりこいつ、演じてたな。」と、彼女の正体を暴いた喜びで内心ニヤニヤしてしまった。
この女、背が小さい以外は特に目立った特徴はない。むしろ、顔はカエルのようであまり可愛くない。それでも、付き合う彼氏はみんながうらやむイケメンばかりだった。彼女は、あれこれと欲張って自分をよく見せようとはせず、「背が低い」という一点に絞り、勝負していた。
人間誰しもコンプレックスを持っているものである。と同時に、「売り」にできるポイントの一つや二つは持っているものだ。その「売りポイント」を分析し、徹底して高められる女は、モテるようになっている。