信じる女性
友人のTは自称「寂しがり屋」。彼女は多数のSNSを駆使し、実際には会ったことのないネット上での友人をたくさん持っている。私の知るかぎり、彼女の彼氏はほとんどがSNSで知り合った男性だ。その中に、彼女と会うときはいつもPUMAのジャージを着用している「プーマ男」がいた。SNS上で知り合ってから付き合うまで、実際に会った回数は0回。付き合って3ヶ月経っても、実際に会ったのは2回。
その数少ないデートの時に乗った彼の車にはチャイルドシートが装着されていたそうだ。「何でチャイルドシートのせてるの?」と聞くと、プーマ男は、「親友が交通事故でつい最近死んでしまった。その親友には奥さんと子どもがいた。夫を亡くして生活できずに途方に暮れていた彼女を放っておけず、今一緒に住んでいる。」ということを訥々と語ったらしい。
それを聞いた私は「それ信じたの?」と思わず聞いてしまった。すると彼女は「うん。だって彼、嘘つけない人じゃん?」
交際期間3ヶ月で実際に会ったのは2回。その上とんでもなく胡散臭い話を聞かされたにも関わらず、彼女は全くプーマ男を疑うことはなかった。SNSでの出会いを全て否定するつもりはないが、実際に顔を見てのコミュニケーションが充実していないと、バーチャル世界のやりとりから抜け出せず、冷静に考えれば怪しすぎることも信じてしまうようになるのかもしれない。